薬膳料理と精進料理の違い
薬膳料理と聞きますと身体に良いイメージはお持ちだと思いますが、似たようなイメージの精進料理も思いつきませんか。
どちらも健康的で、なんとなくお寺で食べるようなイメージも持ち合わせていますね。しかし、実際のところ、薬膳料理と精進料理とでは、何が違っているのでしょう。そもそも違うものなのでしょうか。もしかすると、同じものの呼び方だけ違っているのでしょうか。
実は、薬膳料理と精進料理は、別のお料理と思っていただいて大丈夫です。薬膳料理がどのようなものを指すのかにつきましては、このブログの最初に簡単にではありますがお伝えいたしました。陰陽五行説などの中医栄養学に基づいたお料理でしたね。
一方、精進料理と言いますのは仏教が根本にある料理ですので、肉食などが禁じられたいわゆるベジタリアン料理と同等のものだと考えて良いでしょう。詳細に語れば、肉類にしても殺された現場を見ていない動物に関しては大丈夫である、などの細かい決まりごとはあるものの、基本的には野菜と植物性タンパク質がメインのベジタリアン料理と考えて良いと思います。
そのような理由から、精進料理を粗食というかたもいらっしゃいますが、それは個人個人の価値観の違いですので、一概に粗食と決めつけるのもどうかと思います。近頃では、世界的にも食への関心が非常に強くなり、貧国ではなくとも敢えてベジタリアン料理を選択するかたも増えていますから、肉類イコール贅沢料理という図式は徐々に崩れて行っているのではないでしょうか。
薬膳料理は、症状に応じてそれに見合った動物性のお料理も食しますから、その部分でも精進料理とは異なっていますね。